ダイビングをした直後に飛行機に乗ったら危険!?減圧症とは

ダイビングをした直後に飛行機に乗ったら危険!?減圧症とは

ダイビングをしている人にとっては耳にタコができるほど聞いた話ですよね。ダイビングをしたことがない人には知らない人も多いかもしれません。

ダイビングをした後、時間を空けなければ飛行機に搭乗することができないんです。

これには減圧症(DCI)がかかわってきます。

今回はこの問題について記事にしました。初心者の方で旅行中ダイビングをしようと思っているなら、旅行のスケジュールに大きく影響するので是非読んでほしいです。

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そもそも減圧症(DCI)とは?飛行機とどう関係するの?

減圧症の発生メカニズムには身体の組織に溶け込んだ窒素が関係します。

ダイビングでは水の中という、普段いる陸上とは異なり、高圧の環境下でのアクティビティになります。高圧環境下では呼吸するガス中の窒素が地上よりも血液や組織に多く溶解することになります。

この溶解する窒素は潜水深度が深ければ深いほど、また潜水時間が長ければ長いほど多くなるとされています。

この状態から圧が低い場所に移動するとしたら、身体に溶け込んでいた窒素が血中に気泡として排出されることになります。

この気泡が少なければ肺からこのまま排出されるだけなのでよいのですが、肺から排出される限界量を超えてしまうと、血中に気泡が残ることになり、血栓を作ってしまいます。この血栓によって様々な障害が現れます。

これを減圧症といいます。

大抵はダイビング後の1~2時間以内に陸上で現れますが、水中の浅い場所で起こる場合や、48時間後に遅れて現れる場合もあります。

発症頻度は発症頻度は一般ダイバーで14,000ダイブに 1回、職業ダイバーで17,000ダイブに 1 回といわれています。

 

さて、ここまでは病気についての話でした。次に飛行機に乗った場合について考えてみましょう。

飛行機に乗ると空を移動することになりますよね?空は水中とは逆に低圧環境になります。

低圧環境では窒素は身体にそんなに多く溶解することはできないので、水中から陸上で血中に排出される窒素量よりも、多くの窒素が血中に排出されることになってしまいます。

そうなると容易に肺から排出される限界量を超えてしまうことが予想できますよね。

なのでダイビング直後に飛行機に乗ることが禁止されているのです。

 

減圧症の症状・徴候は?

減圧症の症状や徴候は複数あります。以下のものはPADIのダイビング教本からです。

・痛み(手足や関節など。時間とともに場所や強さが変化する)
・無感覚、ヒリヒリする痛み、麻痺
・異常なほどの疲労感、脱力感
・皮膚の痒み、皮膚発疹
・息切れ、咳き込み
・ふらつき、めまい

このような症状や徴候が現れるとされています。

 

教本だけを見ると大したことないんじゃないかという勘違いも生まれてしまいそうですが、これらは軽いものです。

重いものになると、脳や肺で血栓がつまり、脳梗塞、肺梗塞で死に至る場合もあります。

命が助かったとしても、後遺症が残る場合があり、直腸膀胱障害(排尿や排便などに支障がでることです)、歩行障害などを引き起こすことになりかねません。

それほどまでに恐ろしいものなのです。ダイビング直後の飛行機への搭乗は、こういった重い症状を引き起こしやすいために禁止されているんですね。

 

治療はどんな感じ?

では、どういう風に治療を行うのでしょうか?

症状が軽い場合には100%酸素を投与することになります。これはダイビングを行うような施設などでは必ず用意されていると思います。

しかし、症状が重い場合には再圧治療というものを行います。再度高圧環境下で、血中の窒素気泡を縮小し、その上で酸素を投与して窒素を抜いて行きます。

ここで注意点なのですが、この再圧治療を行う際に用いる、再圧チャンバーのある医療機関が限られてしまうということです。

ダイビングやサーフィンなどマリンスポーツの盛んな地域にある病院には比較的設置されているようですが、そうではないと用意されていない場合が多いようです。

もし、飛行機で飛んでいて、引き返せる距離ではなく、ダイビングの盛んな地域ではない場所で着陸することになった際には、病院探しでまず苦労するということになりかねません。

しっかりと対策する必要があります。

 

減圧症にならないためには?

減圧症にならないためには以下のような方法があります。

  • ダイビング後、飛行機の搭乗まで時間を空ける
  • 安全停止を行う
  • 事前に体調をチェックする
  • ダイビングコンピュータを活用する

では、それぞれについて解説します。

 

・ダイビング後、飛行機の搭乗までの時間を空ける

これは予想がついた人もいるのではないでしょうか。

でも、どれくらいの時間を空けたらいいのかわからない人もいるのではないでしょうか。

ダイビングの教本では以下のように書かれています。

・単一ダイビング:飛行機搭乗まで最低限12時間の待機時間が推奨される。
・反復ダイビング・数日間にわたるダイビング:飛行機搭乗まで最低限18時間の待機時間が推奨される。

 

ですが、複数回のダイビングの場合、最近のダイビング関係のコラムや、減圧症に関する研究をしている研究者間ではこれでは足りないという声も多いです。現在では24時間空けるべきとしているところもあります。

減圧症と時間の関係に関する研究結果も出ており、24 ~ 28 時間空けた場合では 1.02 倍、20 ~ 24 時間は 1.84 倍、20 時間以内は 8.5 倍の発症頻度となっています。

なので慎重に慎重を重ねるのならば28時間空けるとよいのかもしれません。

つまり、ダイビングを昼に行ったとして飛行機に乗るのなら、最低でも次の日の昼以降の便、安全を期するなら次の日の夜以降の便にするとよいでしょう。

 

・安全停止を行う

そもそも安全停止を知らない人も多いですよね。

ディープダイビングを行う際には必ず学ぶことで、ダイビングが終わって水面に浮上する前に水深3m以深~6m未満で3分間停止することです。

体内にたまった窒素が排出されるスピードは遅いので、浮上前に気泡化した窒素を少しでも多く排出することを目的として行います。

最近では18m程度の場所で数分間停止する「ディープストップ」を行うと、さらに安全率は高まるという説も出てきています。

 

・事前に体調をチェックする

減圧症になりやすい体調というのも存在します。

以下はPADIの教本に書かれているものです。

・脱水
・肥満
・高齢
・ダイビング中、または前後のハードな運動
・けがや病気。(特に心臓疾患や糖尿病などに注意です)
・飲酒
・低体温
・ダイビング直後の熱いシャワーや風呂
・二酸化炭素の増加(激しい運動や不適切な呼吸)
・高所

以上の状態には注意しましょう。

 

・ダイビングコンピュータを活用する

通称「ダイコン」や「DC」と呼ばれるものです。

ダイコンは現在の水深や潜水時間、水温、最大水深など、今潜っているダイビングのデータをリアルタイムで教えてくれる道具です。

ダイバーは常にダイコンを確認しながら、体に負担のかからない、安全な潜水計画を立てることができます。

ダイコンに表示されるデータのうち、最も減圧症予防にかかわるものは「無減圧潜水時間」になります。

「無減圧潜水時間」は過剰に窒素を貯め込まないよう、水深と潜水時間から体内にある窒素量を予測し、計算した、その水深に留まれる時間になります。

計算はあくまで理論上の話であり、窒素が溶け込む量には個人差があるほか、その時の体調によって異なるため、完全に頼ることはできませんが、目安にすることで余裕をもってダイビングを楽しむことができます。

なので、このダイコンを利用するのは減圧症予防の上で有用だと言えます。

ダイコンには腕時計のようなウオッチ型や、レギュレーターに取り付けるコンソール型などさまざまなタイプのものがあるので自分の好みのものを選びましょう。

参考までにAmazonで購入する場合はこちらを確認してみてください。

 

まとめ:ダイビングをした直後に飛行機に乗ったら危険!?減圧症とは

以上になります。

今回のまとめとしては

・ダイビング直後に飛行機に乗るのは減圧症になる可能性が高く、危険

・減圧症にならないための予防はしっかりと!

・ダイビングコンピュータを活用しよう!

減圧症は恐ろしい病気なので注意してダイビングを楽しみましょう!

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